Sick Path Design

アンチネットビジネスだったwebデザイナーがLPデザイナーになった理由 Part.1

201912.16

201912.17Last Update

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はじめに

web集客、ネットビジネス、ランディングページ(以下LP)と聞いて、どんなイメージを持つでしょうか?

・なんだか怪しい
・高いものを売りつけられそう
・売ってるものも、売ってる人もちょっと信用ならない感じ
・何それ美味しいの?

ほとんどの人がこのようなイメージを持っているのではないでしょうか。

webデザイナーである私も、かつてはそう思っていました。

なのに、今はweb集客の要であるLPの制作を自分のメインサービスとしてクライアントさんに提供しています。

ネットビジネスに対してネガティブなイメージを持っていたwebデザイナーが
ネットビジネスに欠かせないツールの制作をメインサービスにしたのはどうしてか?

過去から現在に至るまでの自分の心境の変化を綴ってみたいと思います。
よろしければお付き合いくださいね。

田舎に住むちょっと変わった女の子

1990年も終わりの頃、
秋田県の上の方、田んぼと畑と山と海とジャスコしかない田舎に住む高校生だった私は
父が買ってきたパソコンに夢中になっていました。

家族が寝た後、リビングで一人夜な夜なインターネット。
Yahooジオシティーズにアカウントを作って、
誰かにもらったホームページビルダーで作るのは自分のホームページ。

当時HIPHOP、グラフィティー、スケートボード、B-girlといったストリートカルチャーに夢中だった私は、
そのホームページに自分が描いたイラストや好きな曲・好きなアーティスト、そして日記的なものをアップしていました。

ホームページを作った目的は自己発信のためというのもあったけれど、一番の目的は別のこと。

それは、田舎に住んでいては出会うことができない同じ趣味嗜好をもった仲間と出会うことでした。
毎晩リンクからリンクをたどり、この人は!と思う人のBBS(掲示板)に書き込みをして仲良くなるのが楽しくて仕方ありません。

リアルで会った人は一人もいなかったけれど、
お互いにいろんなことを相談したり、刺激を受けたり、
生活圏内ではちょっと変わった女の子の私でも(笑)ネットの世界では自分の居場所を感じることができました。

クリエイティブで刺激的な大学生生活

ネットの世界に自分の居場所を見出していた女子高校生は、
県外の大学へ行き、そこで趣味嗜好が合うリアルな仲間たちと出会います。

私のままでいられる楽しい世界はネットから生活圏内に移りました。

デザインすることもどんどん増えていって、
仲間たちのイベントのフライヤーを作ったり、
大学生向けのフリーペーパーを立ち上げてスモールビシネス的なことに挑戦したり、
テレビ番組を作ってケーブルテレビで流してもらったりと
好きな仲間と好きなことをしながらクリエイティブで刺激的な楽しい大学生生活を送りました。

ちなみに、大学の講義のことはほとんど覚えていません。笑

そんな私が作りたいデザインの必須条件は「かっこいい」こと。

見た目はもちろん、かっこいいと思える人たちや仲間の近くでかっこいいデザインをしたい。
卒業したらそんな仕事をしたいと思っていました。

かっこよくなければ意味がない! 憧れの業界に就職

その後、大学を卒業して上京。
メジャーなファッション雑誌の紙面デザイン、音楽・ファッション・コスメ関係のwebサイト制作に関わる仕事を東京で8年ほど続けました。

見習い時代は月給2万円、ご飯は1日一食、あんバターコッペ。
朝から終電までパソコンに向かう日々。
一緒に働く人が入ってきては辞めて行く職場。

きつい業界でしたが、
デザインが好きなこと、大手クライアントさんの案件に関われることを心の支えにスキルを磨いてきました。
さらに好奇心からデザインだけではなくコーディングやwordpressもそれなりに使えるようになりました。

そして、結婚を機に静岡へ移住。
ちょっと生活のリズムがゆっくりになったことに安堵しつつ、
フリーランスのデザイナーとして独立します。

東京時代のクライアントさんからの仕事も続けながら、
地元の新しいクライアントさんとの仕事もさせてもらえるようになり、
徐々に「フリーランスのデザイナーです」と名乗れるくらいの仕事を一人でできるようになりました。

結婚して独立してからも、作りたいのは「見た目がかっこいいデザイン」。

ショップカードやグッズ、HP、CDジャケットやアーティストの会報誌。
おしゃれでかっこいいものを作れる自分に満足していました。

周りからは、フリーランスデザイナーなんてかっこいいね!
好きな時に好きなことができて、自由に働けていいねって言われる。
東京の仕事もしてるなんて、月に何回か東京行ったり、すごいね!って。

子供を産んでからは、子供を見ながら働けていいねって羨ましがられる。

悪い気はしませんよね。笑

この時はLPの存在はもちろん知っていたけれど、
「楽天市場とかのあの長くてダサくて胡散臭い感じの「売りたい!全開」のページね」
くらいにしか思っていなかったし、LPの役割についても深く考えたことはなく、
制作依頼が来ても全然乗り気になれませんでした。

かっこいいだけでは意味がない?

でも立ち止まって現実をみてみると、

収入には波があって、大きな納品があった月は潤ってるけど、
そうじゃない月はかつかつ。

さらに、やりがいのある仕事ももちろんあるけど
・全然得意じゃないデザインの依頼(でも断れない)
・キッツキツの納期
・計算すれば最低賃金を下回るような価格での受注

(特にwebは制作時間が長いので結構な見積もり金額になるが、「高い」と一蹴されてだいたい安くしてしまう。)
もずっと続いていました。

もう一つ、じわじわと感じ始めていたこと。
デザインの見た目だけではクライアントさんの望む結果を出せないこと。
同じようにクライアントさんからいい評価をもらったデザインでも、
こっちのお客さんではうまくいくのに、こっちのお客さんではうまくいかない。
みたいなことが多々あったのです。

でもどうしたらいいかわからないし、私にはデザインを作るしかできない。
それに「フリーランス」という働き方を手放したくないから、
なんだかうまく行ってないかも。。。と思いつつも見て見ぬ振りをして現状維持を続けました。

もう、デザイナー続るのしんどいな

フリーランスになってから約7年。
そんな感じで仕事を続けてきましたが、
忙しい時期に波があったり、生活が不安定だったり
納期に追われる日は子供にYoutube見せっぱなし。
イヤイヤ期で泣かれた日には仕事が進まずこっちもイライラ。

そんなマイナスなことが重なってくると、

私はなんでデザイナーをやってるんだろう?
本当にこれが私のやりたいことかのかな?
デザインもうやめた方がいいんじゃないかな?

と度々思うようになっていきました。

たまたま受注したコーディング(webデザインをweb上でみられるようにデータを作り変える作業)の案件が
意外と好評で高単価だったので、下請けでコーディングに専念した方がいいんじゃないか?
職業変えようかな?と思ったこともありました。

人のためにデザインすることを辞めて、
自分のためにデザインしよう。
そうだ!おしゃれな緑茶ラテ屋をやろう(静岡はお茶どころですので)!と勢いで露天商の許可を取ったりもしました。笑

デザイナーの職についてから15年。
この時の私の中にあったのは
もうデザインしたくない。。。。
という鬱々とした気持ちだけでした。

* * * * *

次回「補助金事変」

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